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中国の伝統医学に基づいた食事療法を行う「薬膳」

薬膳とは、中国の伝統医学である中医学の理論に基づいて、病気の治療や予防を目的に作られる料理やその料理方法をいいます。単に「体に良い料理」というのではなく、中医学の理論による生薬などを使って作られており、作るためには中医学の知識が不可欠です。根本には自然界にある材料はすべて体の状態を左右する食材であると考えられており、それを体調や体質に合わせて使うことで、体の状態をよりよく保つための食事療法というべきでしょう。

薬膳では、食品の効能をある程度分類することで使い分けが行われており、体を温める「温性」か冷やす「寒性」か、どちらでもない「平性」かに分けるのが「食性」です。また、「食味」による分け方もあり、「辛み」は発汗を促進して気の巡りを促し、「甘味」は栄養となるもの、「酸味」は引き締める作用があるもので、「苦味」は解毒作用や解熱作用、「鹹味」はしこりを柔らかくする作用があると考えられています。こうした作用を持つ食品を中医学の知識の元に組み合わせることで、薬膳料理が作られているのです。

薬膳では、季節の食品などのほか、生薬(中国では中薬と呼ばれる)を使ってその作用を引き出すものもあります。風邪薬などにも使われる葛根、甘草、桂皮などはすべて生薬ですし、花が有名な芍薬の根も鎮痛剤や婦人薬などとして使われる生薬です。また、スパイスとして使われる植物には生薬としても使われるものが多く、薬膳料理に独特の風味があるものが多いのはそのためです。

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