ヒンドゥー教徒の断食の習慣

断食というとイスラム教徒が実践するものと思われていますが、ヒンドゥー教徒も断食を行います。ヒンドゥー教の断食はイスラム教のラマダーンのように1ヶ月間続くほど厳しいものではありませんが、地方によっていくつかのタイプの断食があります。「エカダシ」と呼ばれる断食は月に2回行われるもので、新月と満月から数えて11日目に実践します。この日を特に選んで断食を実践するのは、身体と精神を浄化するのに最適の日だからです。エカダシの日は水を飲まないのが基本ですが、ヒンドゥー教徒はエカダシの前日にフルーツをたくさん食べることによって断食の日を過ごしやすくしています。もうひとつ、「プルニマ」と呼ばれる断食は満月の日に行います。これらの断食は1日だけのものなので、日本でも流行っているプチ断食と同じような効能が得られると思えばいいでしょう。
ヒンドゥー教徒の女性は夫の長命と健康を祈って断食することもしばしばです。また、ディワリやマハ・シヴァラートリ、カルヴァチャウトなどといった宗教行事の際に断食を実践する教徒もたくさんいます。マハ・シヴァラートリは「偉大なシヴァの夜」という意味ですが、太陰暦で数えるので毎年2月か3月に行われます。マハ・シヴァラートリの日は一晩中寝ないで瞑想をする習慣がありますが、水も飲まずに断食をする人、水だけは飲む人、水とフルーツだけを摂りながら瞑想する人などがいます。この日に宗教行事を行うのは星の並びが良くなり精神力が高まるからだといわれています。
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