開国に合わせてやってきた西洋料理カレーと、海軍のカレーの利用について

インドが発祥と思われているカレーですが、実際インドではカレーという料理はなく、タミル語の野菜や食事を表す「Kari」という言葉が語源であるという説が有力です。実際にカレーを世界に広めたのは、イギリス人であり、イギリス国内でカレーが大人気となり、それが、イギリスの植民地などを通じて世界中に広まったと言われています。
日本にカレーが入ってきたのは、日本が開国する9年前の1859年の横浜港開港時であるとされています。日本では開国に先駆けて、横浜や神戸などの港が順次開港されていきましたが、その際に西洋文化や西洋料理が日本にやってきたとされています。
明治初頭は、富国強兵を目指して列強に追いつこうとしていた時期ですが、農民出身の兵士などを中心に、兵士の栄養バランスが悪く、脚気による死亡が多いことが問題となっていました。そこで日本海軍は、英国海軍にならって、カレーを海軍の食事に加えることを決定したのです。カレーには肉や、野菜などが栄養バランスよく使われるので、体力を必要とする兵士たちの栄養補給にもってこいの食事と考えられたからです。多くの国々が自国の兵士の脚気による死亡に頭を抱えていたのですが、日本海軍は、カレーを導入することによって、兵士の脚気を劇的に減少させることに成功しました。
西洋料理は明治初頭ではまだ庶民にとって高級な食事でしたが、カレー粉の販売によって、庶民の間でも人気のメニューとなっていきました。
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